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GACKT 魔王シンフォニー2026 -INFINITY-】札幌公演 機材トラブルによる一時中断も、この日限りの特別な瞬間に
本日行われた『GACKT 魔王シンフォニー2026 -INFINITY- organized by billboard classics』札幌公演。
公演序盤、予期せぬ機材トラブルにより、演奏が二度にわたって一時中断する事態が発生した。
最初の異変が起きたのは、M3「罪の継承 ~ORIGINAL SIN~」の演奏中。機材トラブルが発生するも、GACKT、YELLOW FRIED CHICKENz、そしてオーケストラは演奏を止めることなく、そのまま曲の最後まで走り切った。
しかし、楽曲終了後に演奏は一時中断。
それまで重厚な音に包まれていた会場から突如として音が消え、約10分間にわたる沈黙の時間が訪れた。
その間、GACKTはステージ上で微動だにせず、静かにその時を待ち続ける。
言葉を発することも、ステージを離れることもない。
張り詰めた静寂の中、ただ一点を見据え、その場に立ち続ける魔王。その姿は、予期せぬトラブルによって生まれた時間さえも、『魔王シンフォニー』という世界の一部へと変えていった。
途轍もなく長く感じられた10分を超えた頃、GACKTが突如、アカペラで歌い出した。
約7分間静寂を縫うように響かせたそのファルセットの歌声に、観客たちは息を呑み、ただ聴き入った。
そして、その余韻を切り裂くように、M4「UNTIL THE LAST DAY」が始まる。
その瞬間、堰を切ったかのような興奮が会場を包み込んだ。
トラブルによって寸断されたはずの時間。しかし、その長い沈黙があったからこそ、「UNTIL THE LAST DAY」の一音目が放たれた瞬間の衝撃は、より鮮烈なものとなった。
GACKTの歌声、YELLOW FRIED CHICKENzの轟音、そしてオーケストラの壮大な響きが一気に解き放たれ、張り詰めていた空気が爆発する。
観客もまた、それまで抑え込んでいた感情を解放するかのように「光の鍵(サイリウム)」を激しく掲げ、その熱量でステージへと応えていく。
しかし、M4「UNTIL THE LAST DAY」が無事に終わり、ようやく通常の流れを取り戻したかに思われた、その瞬間。
再び、会場から音が消えた。
二度目の機材トラブル。
またしても会場が沈黙に包まれることとなるかと思われたその時、GACKTが突如として口を開いたのである。
これまで『魔王シンフォニー』では、世界観を徹底するためMCを入れることなくステージを貫いてきたGACKT。
予想もしなかった展開に、会場からは大きな歓声が沸き起こる。
さらに、その言葉に呼応するようにYELLOW FRIED CHICKENzのメンバーたちも音を鳴らし、ステージ前を縦横無尽に走り回りながら、GACKTをさらに煽るように場を盛り上げていく。
張り詰めていた空気は一変した。
本来ならばただ待つしかないはずのトラブルの時間を、GACKTとメンバーたちは即興のエンターテインメントへと変えていったのである。
沈黙を守り続けた最初の10分。
その後ファルセットで静寂を縫った7分。
そして、自ら沈黙を破った二度目のトラブルでの8分。
同じ機材トラブルによって生まれた二つの時間は、まったく異なる表情を見せながら、この日の札幌公演でしか生まれ得ない特別な瞬間となっていった。
その後の演目はすべて順調に進行し、魔王GACKTが総てを掌握し、YELLOW FRIED CHICKENz、オーケストラ、そして観客までも従えるように、会場そのものを巨大なひとつの“儀式”へと昇華させていった。

